お客様から質問がありました。鉋の一枚台と二枚台の違いは何ですか?
一枚台は、現在はほとんど使われる事がなくなった鉋台です、江戸時代ぐらいまでは木材資源も豊富で、逆目のでるような材料はあまり使わないで済んだ時代です。
しかしその頃から急速な社会成長に伴い、逆目の起こる材料も使わなくてはならず、逆目を止める目的で裏金の入った鉋が発明され普及し始めました。
明治以降に裏金の付いた二枚刃の鉋台になり売り出した頃は重くて不評だったようですが(本に書いてあります)、現在のように二枚仕様が一般的になり普及にいたりました。
削ろう会に一枚台は向きます。コッパ返しが鉋刃の仕込み勾配と近くなり、な屑の排出が見やすくなり、押さえ棒、裏金が無くなり、スムーズに削れるか判断しやすくなります。
鉋台打ち、仕込み調整、鉋裏押しなど、難易度が上がりますですので、薄削りの場合、難しい鉋になりますが、より薄く削りやすくなり、鉋のパフォーマンスが上がります。
実用的には、逆目の出ない材料では、裏金の締りがなく、軽く引ける利点と、鉋刃と近い勾配に、コッパ返しがなり、鉋台を直しても、鉋刃口が広がらない利点があります。
刃の仕込み勾配は、一般的な鉋と同じような勾配で、普通は8分勾配、硬い木には8分5厘勾配とか、サワラのような柔らかい木なら、7分5厘勾配などになっておりますが、一枚の鉋台でも同じ仕込み勾配で使います。
違うのは、普通の二枚刃の鉋のコッパ返しが斜めにかなり立っった角度になっているのに対し一枚台は、それより寝ていて、鉋の仕込み勾配と近い同じ角度になっています。(43〜45度)。
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