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内丸鉋の調整

立鉋ではできない内丸鉋の調整を紹介、あるものを使い理論的、効率的に行う調整方法。

厄介なのが局面の刃先と台の局面を合わせる作業、理論的に考えると刃と台が平行になればよいので、下記に書くサンドペーパーを効率的に使う方法が有効です。

私の著書の大工道具仕立ての技法も内丸鉋の調整方法は紹介していますが、このページ方が文字数の制限もありませんので、分かりやすいと思います。
画像は調整が終わって逆目を止めながら鉋幅いっぱいに屑を出す内丸鉋です、台尻を見ると削り材と台が完全に合って密着しています。
調整した内丸鉋で木材を削る。

現状の内丸鉋の刃先と台

当店の内丸鉋の場合、刃が下面に出た状態は、未調整の場合は下記の画像の様になることが多いです。

又、前後方向も下刃定規を当ててみると、刃口付近に隙間がありますので、台の前後方向も削って調整する必要があります。

刃先の曲面と下面を平行に調整するのですが、台直鉋では調整できません。同じRの外丸鉋を使うと言う方法もありますが、それを手元に揃えるのも手間ですね。

台を直すか、刃を研ぐかですが、Rは若干なら数値的に違いがあってもその役目を果たす削りはできます。

刃先と台の隙間
前後方向の確認
この鉋の調整は下記に書くサンドペーパーを使う方法が簡単で効率的です。

調整用のR棒

理論的に考えれば、内丸鉋で削った木材の表面の曲面は、綺麗に両端まで削れれば、刃先と曲面は同じになります。

刃先と曲面は同じであれば、その表面は平行になっていますので、内丸鉋の削れる幅より少し広いぐらいの角材を用意します。これを削って調整用のR棒を作ります。

長さは長めの方が効率的に削れますので、作業時間も短縮できますし。後で隙き取り様にR棒を切り離しても、残りの長さで効率よく調整きます。

檜で作ったR棒の角材

R棒の製作

下端から多めに出した刃先

全体が一度に削れたR棒

角材の表面とサンドペーパー

R棒を使った調整

R棒の上で擦る内丸鉋

密着した下端

台頭と台尻側の調整

内丸鉋は平鉋と同じように、下端を台頭側と台尻側の隙取りを行います。無論下端は凹んでいますので、台直し鉋は使用して調整はできません。

台直鉋は使用できませんが、全体を削ったR棒をここでも使用すると隙取りを上手く調整できます。

短くなったR棒

R棒で下端の調整

調整が終わった内丸鉋

刃を出して状態を確認します、画像はちょっと右側が多く出ていますが、刃を横から叩けば完全に合うように調整できます、画像撮影の確認が悪くてこの画像しかありませんでしたが、この方法で調整ができることはご理解頂けると思います。

試し削りをした画像を見ると均一に削れている事が確認できます。前端が軽くカールしていますので、逆目も止まります。
完全な指定するRの数値が必要なら、使いながら刃をそのRに近づけるように研いで、調整用のR棒を作り直し、研ぎと台直しの微調整を繰り返しながら、望みの完全なRに仕立てます。
状態の確認と試し削り
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