このイボタは砥石で裏押しする際に砥石の横に縦に擦り込んで、大工道具の裏透きの横の細い部分の減りを防ぎます。 普通のロウソクよりも硬い蝋で本来スベリ材なのですが目詰まりさせる材料に丁度よいです。
鉋や鑿の裏は横の部分の裏が付いている部分が狭く、この部分に圧力がかかると直ぐに細い裏の部分が減って広くなって行きます。 鉋ではベタ裏、ヒョウタン裏になり、鑿では手前の方まで裏透きが減ってしまいます。 イボタの剥離方法は一番下に掲載しています。
使える砥石と使えない砥石
本来の使い方は、和風建築の障子の敷居での滑りを良くするために障子のコグチにこのイボタを塗るために販売されていますが、裏押し用として便利なので流用しています。
イボタの販売価格
下記は私が大工道具の裏押しにイボタを使う時の使い方です、ご覧になってみて自分の方法と比べてみて下さい、更に良い使い方が見つかるかもしれません。
この部分は面積が狭く、力の入り方が刃先から後にずれた時にこの部分が刃先よりも先に減ってしまい、ます。鉋ではヒョウタン裏、ベタ裏になってしまい、鑿では短くなる前に裏透きが無くなってしまいますので、赤い部分が減らないように裏透きを行わなければなりません。
イボタを塗る前に 、側面の角を浅い角度で少し面取りします。粗めの砥石で軽くすれば角の立った部分は直ぐに角が取れて面が付きます。こうしないと、せっかく塗ったイボタ蝋を角で押しやって剥がしてしまうのです。面を取ると、裏透き部分が蝋に乗り上げて剥がす事を防いでくれます。
矢印の部分がイボタを塗った部分です、適量を塗って下さい。少し浮いているイボタは、みずで流して下さい。砥石面の方に流れて来ると、その部分が目詰まりしてしまいます。
下り易くするために名倉で擦って砥汁を出したり、アトマ(ダイヤモンド砥石)で擦ってその汁を共名倉として使って下さい。そうすると各段に研削力が上がります。
画像のように減らしたくない部分が目詰まりしているのですから、その分が減ることはありません。画像は焼結ダイヤモンド砥石#1000
裏押しは普通に行って下さい、イボタが削れる場合は塗り増しして下さい。常に裏側を見ながら減り方の変化を見て、砥石面の修正は適度に行って下さい。見ないで長く押し続けると砥石面が狂ったり、裏の部分が平面仕上がりません。砥石を替えた画像ですが進み方は同じです、画像は黒幕1000番
左が作業前で、右が作業後の仕上がりです、刃先が下りていて横は減っていないのが分ると思います。最後は仕上げ砥石で傷が取れてしまうまで研ぎます。砥石面に付いたイボタは、ダイヤモンド砥石などで剥がします。粗い砥石でも取れます。
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