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削ろう会で使う鉋
下記の5丁の鉋は私が削ろう会で記録を出すために使用する鉋です。私も第8回の与板大会からほとんどの全国大会に参加しています。経験を積むと記録も薄くなり上がってきますが、より記録を出しやすい鉋へと変わってきました。
このページでは削ろう会初参加の方や経験が浅い方、又は記録が伸び悩む方の参考になるように作ったページです。
削ろう会で削らずに見ているだけでは得るものは少ないでしょう。
最初は普通の手持ちの鉋でも良いのでまずは削ろう会に参加しましょう、そこから次のステップが見えてきます、ステップを上がるごとに削り華は薄くなります、その頃にはあなたの普段の削りが数段変わり、技術の向上と削る悦びを覚えるでしょう。
競技に使う鉋
- 上記は私が削ろう会で使う鉋です、遠方での開催の為の輸送や競技に挑む時間を考える5〜6丁になります。
- 鉋はどれも1枚台で、ほとんどが私の手掘りの台です。
- 常連の参加者は会場で研ぐより自宅で研いできます。その方が集中して研げますし、限られた時間で削ろう会を楽しむには、研ぎに時間を使うより会場を見て回る時間に回した方が良いのです。
- 基本的に寸8サイズです巾55mmの国産材が削れる幅で替え刃式は使えません、自分で研いで調整した鉋を競技に使い削ります。
- 初心者の方はまず10ミクロンを目指します。切れる鉋であれば鋼もどれでも良いし、一枚台でも二枚台でも普通口での包み口でも問題ありません。普通に切れる鉋であれば問題なく削ろう会で10ミクロンを削れます。
ただ、刃口は狭い方が薄く削りやすいので刃口は狭く埋めます。
鋼について
- 正直、鋼の種類はあまり関係ありません。
- 白紙などの炭素鋼が研ぎやすいと言います、私の感覚では仕上げ研ぎの時に無理せずサラッと取れるように思います。
- しかし、現在では人造砥石は進化しています、砥石の組み合わせ、研ぎ方、力の入れ加減で、青紙系の特殊鋼でも問題なく鋭い刃に研ぎ上げる事は難しくありません。耐摩耗性のある特殊鋼の方が一度の研ぎでより長く削れるとも言えます。
- 私が持っている鉋の鋼は、炭素鋼、特殊鋼、どちらも所有していますが、鋼の違いが記録を左右する事は無いと思います。
記録を支える鉋
競技に使う鉋の他に削ろう会には下記の鉋を持って行きます、それぞれに役割があり良い記録を出すための鉋です。
削り材の平面を直す長台鉋
- 均一な厚みに削れなかったり、途中でちぎれる原因が削る材料の表面にあります。削ろう会の会場には削り材の平面を修正する手押鉋盤や、超仕上鉋盤がありません。
- 一番頼りになるのが長台鉋です、台の下端を4点付きで作っておけば、ねじれたり波打った木材を元の状態に直しやすいのです。
- 又、削りの最後の引き尻は材料面が微妙に波打ちしやすくなり、最後が綺麗に削れないことがあります、この部分を平面に修正して、次から波打たせずに削るには長台鉋が有効です。
削る木材の角を取る小鉋
- 長台鉋の下に写っている小鉋は、主に角の面取りに使います。削り材の削り始めの角を削り、角に埃や砂が付かない状態を削りだします。
- 又、55mmの削り材でない場合に側面のの角を削り55mm幅にします。私の削ろう会の削り材も60mmありますので、面取りをして55mmに合わせています。
削ろう会の記録を伸ばす
初心者の方は削ろう会の大会では10ミクロンの記録を目指し、一桁が出たら上出来と思って下さい。
それより薄く削り記録を伸ばすには幾つもの課題がありますが、そこを一つ一つクリアして行けば必ず記録は伸びて行きます。
一枚台
最初は手持ちの裏金の付いた鉋で問題ありませんが、削ろう会で本気で記録を伸ばそうと思うと、一枚台の方が有利になります。
- 一枚台の木っ端返しは43度〜45度、二枚台の方は75度〜85度、一枚台の方は鉋の仕込み勾配に近いので、刃口が広がりにくく削ろう会で記録が伸びやすい利点があります。つまり記録を伸ばすには刃口が狭い方が有利なのです。
- もう一つには、削り華が出てきた時に裏金や押さえ棒が無いために削りに集中できます。上がってきた削り華の状態が確認し易く鉋削りに集中できるのです。また、一枚台の方が屑溜まりに裏金や押さえ棒の障害物が少なく削り華が左右に裂ける要因が少なくなります。
- 削ろう会に行くと見かけるのが参加者が自分で掘った手彫りの台です。よく見ると木っ端返しの上場の鏡(平面の部分)の角度が急勾配に仕立ててあります。こうすると、掘る時間が短時間になると共に、鉋台の台頭側と台尻側をつなぐ左右の部分が短くなり、台の動きを少なくなり記録を伸ばしやすくなります。、
- 仕込みは緩め、その方が刃の出し方やもどしかたなのどの微調整がしやすい、そのため、新しい鉋は直ぐに仕込まず半年ぐらい台の乾燥を進めた台の方が後で緩みにくい
不通口か包み口
- これも初心者であればどちらでも問題ありません、私の削ろう会用の鉋は普通口も何丁か持っています。刃口の台頭側の隙間をわずかにすれば、包み口と同じ効果があり、5ミクロン以下の削りも出来ます。
- 刃先角度が28度までなら包み口にできるのですが、新品の鉋では刃先角度29度になれば包み口はペラペラになって、台直しをして台が減って行けば、削ろう会での包み口の利点は包み口の利点は早くなくなります。
- 包み口があれば、鉋の引き終わりに鉋が安定しやすく、引いている最中でも押さえる力のバランスが鳥安利点がありますが、その調整は微妙で包み口の包みが当たるか当たらないかの調整は微妙になります。
大鉋の薄削り
寸8クラスで削ろう会の削りに慣れた方は、いつかは大鉋で薄削りに挑戦してみたいと考える方が多いです。一番の問題点はその金額だと思います。現在私の店で大鉋を注文された場合、一枚台入りで30万円後半になります。
下記画像は私が所有する5寸6分の大鉋です。見せる為のパフォーマンス用に見栄えも派手にしました。見た目の美しさに負けないように十分に薄削りができる調子の良い大鉋にも仕上がっています。粗堀の台に差して半年以上環境に馴染ませた後にゆっくり時間をかけて仕込んでいますので、まったく仕込みが緩くなっていません。
以前はパフォーマンスのため
- 削ろう会の大会では最初の頃から大鉋でのパフォーマンス的な削りがありました。
- 以前は5寸6分の大鉋が一般的でしたが、今では1尺の大鉋でのパフォーマンスになっています。このクラスになると、鉋の刃は元より、台、砥石など必要な物を揃えるだけで相当の金額になります。大会に出かけられたらどの会場でも1尺鉋の削りが見られます。
現在は競技としての大鉋の部
- 現在は削ろう会で競技として、大鉋の部があります。
- このクラスで薄削りの競技に参加を行うには経験と技術が必要ですが、ある程度薄削りに慣れた方なら出来ない事はありません。
プレゼントコーナー
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大工道具の曼陀羅屋について
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