このノミはコバの部分がほとんど尖っており、三角の角など90度より狭い角度の穴の中を加工する時の角の処理に適しています。浅い角度になると無理が出てきます。
用途的には、蟻組や埋め木をするときに使う鑿です。一般的な鑿では角を尖らせて掘る事ができませんが、これなら可能です。
又、鼓型チギリの埋め木にも都合が良く、墨が尖ったシャープな埋め木が出来る鑿です。
時々「もっと広いサイズはありませんか」とお問い合わせがありますが、広いノミはそれなりに強い力で叩きますので、角に負担がかかり欠け易くなります。広い部分を欠き取る時には追い入れノミを使い、角の処理だけこのノミを使います。
埋め木鑿を使う前に最初に蟻組の基準となる直線部分の中ほどを定規を添えて鑿で差します、こうすると加工ラインも真っ直ぐです。定規は三か所の蟻組を一直線に揃える事を約束します。定規は事前に機械などで直角に切っておきましょう。
画像は埋め木鑿を使い蟻組の隅を差して仕上げている画像です。上記画像と同じように端材を当ててクランプで締め付け定規として使います。画像は最後の仕上げです、定規をを外して差しています。埋め木鑿で隅の部分を尖らせて仕上げる事が出来ます。
メス側の導付の直線の通った仕上がりが隙間ない仕上がりを完成させ、その隙間ない加工を埋め木鑿が助けると言っても過言ではありません。
追入ノミではコバの垂直の面がありますが、この埋め木ノミではコバの部分は尖っています、この埋め木鑿は、追入鑿として作られた物を削ったのではなく、埋め木鑿として最初から作った物を、焼入れ後さらに尖らせたものです
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