立鉋の口周りの納まり

普通の収まりとはちょっと雰囲気が違う立鉋の口周辺の仕上げ画像を掲載してみました。

削ろう会スペシャルタイプのような側面が口のぶぶんまで大きく下端角面を落としてあるタイプは下記のような面を取る必要はありません。

普通の立鉋の刃口

当方の曼陀羅屋の善正作立鉋も削ろう会スペシャルと同じような台の構造です、下記画像は、普通の立鉋の下端構造です。

上に行くほど広くなるコッパ返し

• 下記画像で分かるようにコッパ返しの角度は下から見ると上に行くほど広がっています。
• 普通の鉋とは角度は逆になりますが、屑が抜ける方向に広くなっている事は同じで、こうしておかないと屑は詰まりやすいです。
• 口の広さは普通の鉋と違い、この台は逆目を止めると言う役目は考えなくて良いので屑がつまらない程度口を広げても良いのです。
• 刃には裏透きもありますので屑の排出される狭い部分も見た目よりは広いと考えられます。
• この曼陀羅屋の他のページでも書いていますが、コッパ返しをとにかくスムーズに仕上げる事も屑を詰まりにくくする大事なポイントなのです。
• ちょっとの段が屑の排出を減速させその後ろから上がってくる屑をつまずかせると考えてください。

すっきり研ぎ上げる鑿

• それと鑿は下記画像のような一分（３ミリ）鑿、もしくは１分５厘（４．５ミリで大工道具では一般的なサイズではない）を使い周辺を少しづつ削ります。
• 画像で分かるかと思いますが、鑿は鋭く研ぎ上げると共にゆがみの無い裏も作っておく必要があります。
• 鑿の刃先角を立たせる事は隅々をスッキリ仕上げるには必要です、隅々がスッキリ仕上がっていないと鉋屑も詰まり易いのです。

上から見た刃口周り

• 屑溜まり側、つまり上側から見ています、けっこう角度を付けているのが分かると思います。
• 台下端の磨耗は普通の鉋と比べても激しくないので口の広がりを気にしなくても良いでしょう。
• 詰まり易い口は使い難いので使い易さ優先に口は広げて見ましょう。

鉋台は木工万力で固定

• 下記画像は表馴染みを付けて硬さを調整しているところで、鉋台は木工万力で固定しています。
• こうした方がしっかり固定できますのでぐらつきも起きず少しづつ狙ったところを削るのにも適しているのです。

大工道具の曼陀羅屋について

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