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鉋調整、口切り鑿
この鑿は鉋の仕込み時や台打ち時にコッパ返しや、刃口を切り揃えに使用、又、台の上端の溝際の割れ防止、や包みの先端の切り揃えなど鉋の調整全般に使用。一般的な形状では入り難い部分の木工や建築の加工にも便利。
包み口の狭い刃口では一般的な鑿の厚みでは刃口の中に入らず、特殊な形状の口切鑿が威力を発揮。
鉋の台屋さんは短くなったノミなどを削って使ったり、木工家は白柿を使ったりと工夫していますが、これがあれば刃口の作業は正確に綺麗にできます。
この口切り鑿は私が昔使っていた物を当曼陀羅屋で使い易く改良しました。一枚台の鉋のコッパ返しにも対応できるように刃先は薄くしています。刃先は薄く逆に口金近くは厚めです。この商品は鑿大全でも紹介されています。
大内作鉋刃口用口切り鑿の価格
巾30ミリ、柄の長さ15センチの、全長25.5センチ、刃先厚み2ミリ強、黒打ち、ヤスリ仕上げで、手作りですので品によって若干の寸法の差がございます。
大内鑿製作所の説明
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鉋刃口切鑿の使い方
この方法が一番刃口の調整に良い口切鑿の使い方です、スライド丸鋸などでコッパ返しの勾配治具を作り、クランプで固定して加工する方法です。
動画と画像を見てのように口切鑿の角付近だけを使って削っています、他のの部分は治具に沿わせているだけ。
樫のコグチの部分でも簡単に削れます、そのために裏はダレのない平面に仕上げておきます。
動画で使い方を説明
写真と文章で説明
切り揃える位置の確認
- ポイントは、刃口に対し刃先の高さを平行にして確認する事が大事です。
- まず、下の画像上側のように、下端の台頭側から見て、刃口の高さに鉋刃の刃先を平行な位置に来るように木鎚で叩いて合わせます。
- その時に、刃口の真上から見て、刃口と刃先が平行になる位置と、頭の中に隙間の量をイメージしておきます。
治具の固定位置
- イメージしておいた隙間の量に合わせて治具をFクランプで固定しますが、ここで大事なのは刃先と平行になる様に位置を調整する事と、一度に口切鑿で削れる力の位置か、それと削り過ぎない位置であること。
- 刃口の治具の角度は木っ端返しの角度になりますが、鉋の台屋でも様々です治具の角度は75度〜80度ぐらい。一枚台の場合は確実に屑が抜けるのは45度で、コッパ返しをスムーズに仕上げ糸裏なら43度でも屑は抜けます。
- ほとんどの場合、一度で鑿を突く加工は終わらず二度、三度と治具の位置をずらし鑿での加工を繰り返します。
- 治具は刃口を真っ直ぐにそろえる正確な作業に役立ちます。
口切鑿で削る
- 次に治具に沿わせて口切鑿で削ります、垂直に刃巾一杯にさすと抵抗が大きくて削れません。
- 一度に削る巾は2mmほどで、口切鑿を傾けて隅の近くからずらしながら削っていきます。両端は0.5mmほど残します。
- 裏が平面である事が大事です、刃裏がダレていると治具と同じ角度が保てません。又、浅い角度の刃先は欠けやすくなりますので、適切な鑿の角度に調整します、30度ほど。
刃口の状況の確認
- 再度、台頭側から刃口に対し刃先の高さを平行に鉋刃を差し込みんだ後、台下端上から刃口を見て、平行と、隙間をの状況を確認し、次に鑿で削る位置を再度イメージします。
- 刃口の隙間は一枚台なら、鉋屑一枚分で、裏金が入る二枚台なら0.3mmほど、もちろん個人の好みや使用用途でも変わります。
- 下記画像では右側が広いことと、全体的に狭い状況です。
治具を固定し直して再度削る
- 再度、治具を固定します、最初の時と同じで、隙間の平行と広さをイメージします。
- 固定クランプを支点に少し叩けば治具が回転し傾きが治り平行に調整できます。平行に直す方法はいろいろあります。
- 口切鑿で再度削り、自分の刃口の理想になるま繰り返しますが、2〜3回だと思います。
両端を仕上げる
- 0.5mmほど残しておいた両端を口切鑿で削って仕上げます。
- ここで両端を仕上げる理由は、口切鑿で3度削った時ごとに両端も削っては口の幅が広がる可能性が多いのです、慣れれば覚えていますが、最初に仕込みや台打をする方には、巾が広がってしまう結果が分からないと思います。
- 何度も何度も同じ作業を行えば広がりやすいのです。
- ここでは口切鑿を垂直に差します、治具の勾配に沿わせ、削り終わったコッパ返しにも沿わせて仕上げ削りを行います。
- 横からと内側から鑿で突いて角まで仕上げます。
- 口切鑿の状態を見れば分かりますが、真横から真っすぐ当たっています、もし軸が丸い追い入れ鑿などなら真っすぐ差す事が出来ず必ず傾きます、綺麗に仕上げるこの品の有効性がここにもあります。
見栄え良くするために
- 仕込み勾配と刃口の線を揃えるように調整して削ると鉋の全体の見栄えも良くなります。
仕上がった刃口
- 画像で見て分かりますが、これで0.3mmほどです、お客様から鉋の直ぐ使いを依頼された場合、このくらいに仕上げます。品物や、その方のキャリア、によっては広くすることもあります。
- 一枚台の鉋の場合は狭くするのが一般的で、コッパ返しを45度にして刃口を更に狭く調整します。
1枚台のコッパ返し
- 一枚台の包み口はコッパ返しが狭く、通常の鑿が入りません。
- 画像は一枚台のコッパ返しの角度で、最終的にスムーズに仕上げるためにのみを入れています。
- この鉋刃口に入る既製品は他にはありません。
凸凹の包みの厚みをならす
- 本来なら包み専用のコテ鑿を横から削るのが理想ですが、もし専用のコテ鑿が無い場合は、この品で代用もできます。
- 画像のように使うと若干のビリ付きが出て綺麗に仕上がり難いですが、専用のコテ鑿が無いよりましでしょう
- 一枚台のコッパ返しが包みにかぶっている場合はこの方法が有効な場合があります。
- 私の場合、専用のコテ鑿を使います、一枚台の時には、コッパ返しが被った包みの隙間に入るように、横に張り出した刃先を持つコテ鑿を左右別々に持っています。つまり専用のコテ鑿は3本持っています。
表馴染みのカーブに合わせる
- 鉋台打ちをする方には分かりますが、刃のカーブに合わせて口切鑿で縦に差すのだが、横からも削ると、綺麗に仕上がり易くなります。
- 刃口側と同じように隅が綺麗に仕上がります。
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プレゼントコーナー
店主作の鉋仕込DVDなど1万円以上ご購入時に選択
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