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鑿の裏押し

平成25年7月の話、組み手を鑿で仕上げて小さい棚を作りました。巾は60センチ弱、材料は楢、材厚は25ミリで硬く厚い材料で巾が小さい棚を作りました。
画像はその時のもの。45度の留めと組み手は隙間無く作るには一切の妥協が許されません。
そこで鍵となるのが鑿の裏です、鑿の裏は定規になり組み手を隙間無く作るのため鍵です。

木に弾力があると言っても、無理やり押し付けて組み立てて、隙間を埋めようとしても無理な話で、弾力により後でそこが開いてしまいます。

正確な鑿使いと、正確な罫書きとが隙間なく綺麗に作るには必要です。正確な罫書きは、その線上の外でもなく内でもなく、あって無い様な、線上0の点に鑿を正確に入れるのです。

その0の線は白柿で罫書いた溝に鑿を入れれば良いのですが、その後は、鑿の裏が真っ直ぐでなければ、刃先は真っ直ぐに進まないのです。出来上がった時に隙間無く作るには鑿の裏をいかに作るかとと罫書きがカギなのです。
ここでは正確な平面の鑿の裏を作り鎬を研ぎ上げる話です。このページであなたのノミ研ぎのレベルが上がり、仕事に役立つ事と思います

正確な鑿の裏を作るには

新品の鑿の裏は鍛冶屋さんによっても状態は違いますが、完全に平ではなく使い手が何度か裏押しを重ねて平面を作り出します。 何度かの裏押しが悪ければその後の裏透きの残り方が少なくなり裏押しの時に平面が出にくくなります。

正確な平面の出た金盤や砥石を使えば良いのですが、これらの凹んだ物で裏を押すと真っ直ぐな平面にはなりません。 そのため裏を押す砥石や金盤の平面が大変重要になるのです。

金盤に関しては巾の狭い鑿では使えませんので、このページでは金盤に関しては除外します、別の機会に書きたいと思います。

鑿裏の平面を見る

上から押さえる位置も重要で力のかけ方が悪いと、刃先の方が下りずに側面の脚と呼ばれる平面の細い部分が先に下りてしまい、刃が減らないうちに裏透きが無くなってしまうのです。

番手が高い砥石や、研磨力が弱い砥石でうらを押すと、鑿の裏が下りるよりも、砥石が凹んでしまう方が早く裏が丸く歪む事になります、長時間研いでも思ったほど平面にはならないのです。

もちろん裏押しの途中で頻繁に面直しを適切に行えば良いです、上手いかないからと見せて頂いた鑿裏を見ると、原因が裏を押す砥石の面である事が推察されます。

画像は私木成平待鑿1寸4分です、裏の角は指を切らないように軽く面取りしています。

先で書きますがイボタを削り取らないようにする効果もあります、面は浅い角度です。

私の鑿の裏押し

自分も最初から上手く鑿の裏押しが出来た訳ではなく、今でもアッ!と思う事あります。気付くのが早いのでさほどひどい事にはなりません。ここで書く方法は失敗を繰り返しながら多くの方からの話を元に自分で検証し自分なりにアレンジして現在たどり着いた最適だと思う方法です。

一番カギとなるのが平面維持力と研磨力が高い砥石と、裏の脚(裏の横の平面んお細い部分)を減らさない工夫です。使うすべての砥石の平面をそれぞれ出しておく事が大事

裏押しを行う前にすべての砥石面を平面に揃えておきます。 砥石は現在裏押しで主力に使うのが焼結系のダイヤモンド砥石です。この粒度の違う砥石を数種使います。この種の商品も多くのメーカーがありますが、外国性では粒度が安定しない物もあり、一番自分が良いと思うのがエビ印焼結ダイヤ砥石です。

細い脚は少しでも強い力が入れば、直ぐに研げて脚が広がってしまいます。もし鑿の肩(刃の終わりのくびれるところ)が当たる部分が滑って研げなければ肩や脚は減らずに刃先が先に下りる、、、、そう思いませんか??? その状況を作れば、裏は刃先の方から研ぎへる綺麗な形になると思います。

刃先から研ぎ減るようにするには

研ぐ時のストローク

細い鑿の場合

仕上げ研ぎで大事な事は二つ、傷を無くす事と仕上げ砥石の平面維持。

心得て欲しいこと

裏の叩き出し

完成した鑿の裏

上記の手順で裏押しした鑿は硬い楢材のコグチも差せます、食い込まずそして浮き上がらず、平面に沿って楢のコグチに平面を作り出していく事が可能です。正確な鑿の裏は隙間無く仕事をするための大事な要素の一つ。

平面を作り出すには平面の鑿の裏が大事、そしてそれを作るには砥石の平面が大事。

このページでは鑿の裏押しに関する事項をを書いてみました。鑿の切れ味はこのページプラス、良く鍛えられた鋼と適正な刃先の角度、そしていかに鋭利に刃を研ぎ上げるかです。あなたにとってこのページがお役に立てるようにと願います。




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