山本鉋製作所は、令和元年で創業100周年を迎えました。現在三代目芳楽氏と四代目健介氏の二人で鉋の製作をされています。
その記念として今回販売されるのが「鍛焠火伝」(たんさいかでん)で芳楽氏と健介氏の共同作業の親子合作です。鍛焠火伝とは、火造、焼き入れ、温度、と、鍛冶屋の仕事を代々伝えてきたという意味があるそうで、記念の鉋にピッタリの銘です。
使用する鋼は火神、健介でも使用されている欧州青鋼(スウェーデン青鋼=特殊鋼)で地金と鋼を合わせる鍛接の後5回鍛錬をして鍛えに鍛えた後に炭焼き入れをした品。
この品には山本鉋製作所の歴史を書いた、鍛冶四代百年史が付属しています。
鍛焠火伝台入の価格
白樫台の包口、標準的な八分勾配、桐箱付 台のラベルは付けていません。
鍛焠火伝台無の価格
台無、鉋刃、共裏金付、桐箱付
鍛焠火伝に使われている鋼はスウェーデンで製造されました。鍛焠火伝の鋼は鉄鉱石から木炭還元された銑鉄から作られた鋼で、日立金属の青紙1号と良く似ています。この鋼は日本国内に存在しない昔の古い製造法でスウェーデンの国内で作られました。
他のページでも書いていますが、昭和の時代にスウェーデンに研修に行った際に、三木の鍛冶屋がストラ製鋼所に行った時に日立金属の青紙1号と似た元素配合で注文した鋼です。
スウェーデンは古くから有害な不純物が少ない優秀な鉄鉱石が採掘され、製鉄事業が盛んで、ストラ製鋼所の他にアッサブなどのメーカーがあります。
有害物質の少ない鋼は結果粘りがある長切れする鉋になります。
山本鉋のルーツを辿る文章で明治から現代へと移り変わる中で和鉄から洋鋼へと鋼も変わり、戦中戦後、高度成長期を経て現在に至る鍛冶屋の仕事ぶりが綴られていて、私もその時代に入ったよな気持ちになれた百年史です。
使用の時合わせてお使い下さい
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